崇徳廣業の思いを胸に
本社がある熊本市小島町は、かつて物資の集散地としてにぎわった商人町。明治初年の浜田醤油は穀物商で、現在の社屋の裏あたりに船着き場があり、白川を遡上して熊本城下まで米や大豆を運んでいたと伝えられています。その麦や大豆に塩を加えて醤油をつくったことが、浜田醤油の始まりです。
当時と今をつなぐ証が、本社事務所に掲げられています。墨痕あざやかに記された文字は「崇徳廣業」。徳を尊び業を広める、つまり「人々の役に立つ仕事に誠意をもって取り組み続ければ、おのずから業績も伸びる」という、浜田醤油の創業の理念です。その理念のとおり、初代は昔からの熊本の醤油の味を生かした、ほんのりと甘みが香る熊本ならではの醤油を開発。二代目の時代には近隣の庶民の暮らしにすっかり根を下ろしていました。この時代、明治から昭和にかけては、伝来の素材と手法をそのまま生かした素朴な手作り醤油が主役。いわば、じっくりと力をためながら徳を尊んだ時代です。培った力を応用し、事業を飛躍させたのは、三代目が経営を担った戦後のことでした。


