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【歩み・戦後編】戦後の食卓を救った新式醸造

「ワサ者(わさもん)」の心意気が花開く
戦後、焦土と化した日本を悩ませたのは、極度の食糧不足でした。むろん醤油も例外ではなく、戦前の品質を再現することは物理的に不可能。しかし幸いなことに戦後経営を引き継いだ三代目は熊本弁でいう「ワサ者」、つまり根っからの新しモノ好きでした。「昔の味に近づけたい」の一心で試行錯誤を重ね、ついに限られた原料で「新式醸造のアミノ酸醤油」の開発に成功。戦前の味を完全復活させるまでには至りませんでしたが、アミノ酸醤油の上品な甘みは、食糧難に悩む時代には望むべくもない逸品として、人々の熱い支持を受けました。
新式醸造にまつわるもうひとつのトピックスは、初めて本格的な工業化の一歩を記したことです。手作業で一本ずつ詰めていた時代に比べて、生産量は飛躍的に向上。また新式醸造では従来品に比べて醸造期間が大きく短縮されるメリットがあり、これも市場拡大の大きな支えになりました。こうして浜田醤油は熊本郊外の小さな醸造元から、熊本市民の食卓を担うメーカーへと進化を遂げたのです。

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