2009/5/26 火曜日

屋根組みは、かく語りき。

Filed under: 醤油蔵リノベーション — admin @ 14:41:32

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補修工事を請け負ってくれているクリーンスペースさんにお願いして、隈事務所の藤原君と秋山君を連れて、屋根に登った。

先日の豪雨で雨漏りがひどかった。

原因をこの目で確かめたかったからだ。

「こっちから見てみらんですか!!普通は雨を外に建物の外に逃がしてやるようにしてあるのですが、ここは、全部の雨がここに集中してしまうんですよ。この部分なんか、すべての雨がここに集中して流れてきます。大洪水状態になり、限界を超えて雨樋からあふれて、掃け切れずに雨漏りしてくるんですよ。」

満田社長が説明を加える。

「なんでこんなことしてあるんですか?」

「まあ・・・。日本の屋根は通常谷間をまとめます。棟と棟をぶつけてつなげるんですね。なるべく谷を避けるわけです。ところが、ハマダしょうゆは、棟をつなげてない。  ほら、いたるところで、妻面が谷に垂直にぶつかっているでしょ・・・。普通の日本建築ではあり得い!!」

藤原君がにこやかに説明してくれた。

「文化的な価値は大したことないけど、こんな屋根。すごい希少価値ですよ。日本には、いや世界中探してもここしかない屋根のつくりですよ。わはははあ!!」

笑いながら藤原君が続ける。

「・・・・・」

なぜか憎めない。

「いやあ、見てて実に飽きない。一気呵成に継ぎ足していったスピード感と世代を超えた勢いを感じる屋根です。」

「・・・・・??」

多少、文化的にフォローしてくれたが・・・どうも釈然としない。

「一言で言うと、どうなるわけですか?」

と迫った。

妻と谷との危険な出会い!   大胆に露骨に妻面が見えている・・・。そんな光景です。濱田さんらしいですよ・・わははあ」

と、更に、藤原君。

「む!!・・・・・・・・。 冗談じゃないっしょ。こっちの身にもなってよ。この雨漏りが大変なんですから・・・」

私は解決策を要求した。

「通常は、増築するときは、屋根を剥がして、となりの棟とつなげて・・・一旦、前の作業は止めて、となりの蔵での作業は一旦とめて増築していくものです。しかし、おそらく当時は勢いが有り、そんな作業を止めている場合じゃなかった。 ノンストップで、前のめりでやっていったんでしょう。 いやあ・・・、事業拡大の勢いを垣間見ます。作業を止められなかったんでしょうね・・・。」

「ほう。」

「でも・・・きっと当時の大工は、必ず雨の問題が将来出てくる。そんな忠告はしたはずでしょう。天国から「大工の責任じゃねええ。俺は言ったはずだ」って言ってますよ。  そう・・・  わははああ」

屋根組みから、当時の状況を推測する。更に天国の大工の代弁まで・・。 現場のプロ藤原君らしい・・・。

勢いがあり、屋根を繋いでいる暇なんて無かったのかもしれない・・・。おそらく当時の施主も雨の問題は後々・・・。そう考えても仕方なかったのだろう。

そう思うと、怒りも無くなった。

後々の問題が、今、たまたま、私に降りかかって来たのだ。そんな数奇な運命を受け入れよう。

なんとなく、ふっきれた。

屋根組み1つから、当時のハマダの勢い。  世代を超えた前のめり感。

棟を揃えず、山のように屋根が繋がっている。

この前のめり感こそ、”濱田家の伝統”

そう言い切った隈事務所の藤原君と秋山君。

見事に私の性質を見抜かれた。

あっぱれである。

「まあ改修費用は概算で200万くらいと考えておいてください・・」

「・・・・・・・・」

さらりと秋山君が告げ足した。

瞬間、足元の瓦が「じじっ」と音を立ててズレた。

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(今回のブログ内容とは関係ありませんが、隈さんと、浜田醤油プロジェクト担当の藤原君、秋山君の貴重な3ショットです。後ろに見える大きな木は、シンボルツリーの醤油クスノキ。醤油を飲んでこんなにでっかく成長しました・・・。)

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(これもおまけです。右、原研哉さんに濱田醤油プロジェクトの建築進捗状況を語る藤原君。後ろは秋山君。)

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